ストレスチェックの集団分析について

ストレスチェックの集団分析

7月26日(金)ティーペック株式会社主催の健康経営セミナーに参加して参りました。

今回のセミナーは「ホワイト500」の認定企業(大規模法人部門)による健康経営の取り組み事例を紹介頂くものでした。そんな中、事例紹介の企業や、質疑を行った企業から伺えた共通課題は「ストレスチェックの集団分析」を、如何に上手く活用するかでした。

これに関しては、さすが大規模法人と言うだけあって、2015年12月1日に施行された「労働安全衛生法の改正」以前から実施し、社内のフォローアップ体制もそれなりに確立されており、内容については勉強になりました。

ストレスチェックの集団分析とは?

ストレスチェックの集団分析とは、個人のストレスチェック結果を集団ごとに集計・分析し、職場ごとのストレスの状況を把握し、職場環境の改善のための取り組みを行う為のものとなります。

ストレスチェックの集団分析

左図は「仕事の量的負担」と「仕事のコントロール」の2要素。
右図は「上司の支援」と「同僚の支援」の2要素。
(画像:厚生労働省「確かめよう労働条件」より)

集団分析を行う上での注意すべき事項とは?

集団ごとの集計・分析結果は、10名以上の集団であれば、個人ごとの結果を特定できないため、労働者の同意を取らなくても、実施者から事業者に提供して差し支えありません。ただし、集計・分析の単位が10人を下回る場合には個人が特定されるおそれがあることから、原則として、集計・分析の対象となる労働者全員の同意がない限り、集計・分析結果を事業者に提供してはいけません。

(厚生労働省「労働安全衛生法に基づく ストレスチェック制度 実施マニュアル」より)

実際はどの様になっているのか?

厚生労働省のマニュアルでは、先に述べたとおりですが、セミナー参加企業の声としては、下記の様な声が上がっておりました。

個人:10名~20名の集団であっても(年齢・性別により)特定されてしまうケースがある。
上司:吊るし上げや、犯人探しになってしまう事がある。

また、改善検討会などに参加させるメンバー(分析結果の開示範囲)についても注意を払う必要性も話として出ておりました。

運用での工夫していた点は?

どれがベストなやり方なのかは分かりませんが、各社の意見等を伺い、上手く運用を行っている事例がありましたので、一例として記載いたします。

【ストレスチェックの実施における事前の定義】

集団分析の「上司の支援」項目については、直属の上司だけとは限らない事について、受検者全体に対し、定義付けを行う。

【集団分析の集団単位の階層を上げる】

以前は課単位で行っていたものを部単位もしくは、隣の部署と統合して集計・分析を行う。

【改善検討会の参加メンバーの工夫】

改善検討会については、ラインの上席である役員まで同席してもらう(上司の範囲)
ラインケア研修も合わせて実施(上司のフォローアップ)

今回のセミナーに参加したことで、大規模法人のストレスチェックに対する課題が、あまりにも共通していたことが、ある意味発見でした。

中小企業の場合(特に50名未満)は、努力義務となっていることから、実施に伴い体制をどうするのか?が、課題としてよく伺います。

ストレスチェックの意義は、メンタルヘルス不調者の未然防止(一次予防)と、最適な職場環境の改善です。※集団分析による職場改善は努力義務。

上手く活用すれば、非常に有効なツールなので、働きやすい職場作りをより目指して参りたいと改めて感じた今日この頃でした。

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